人のことも

3.4年前、ボランティア活動などを行っている方の講演会に出席した。


「夢は何か」と聞いたとき、戦争が絶えず続く貧しい国の子どもたちと東北の震災を経験した子どもたちには共通点が見られた。
それは、『他者のためを思う夢』。例えば、強い家を作りたいから大工になりたい、周りの弱っている人を助けるために医者になりたい、と。


私が東北の震災ボランティアに行った時、子どもたちと一緒にスライム作りやプラ板作りなどをした。
その時、みんな同じものを複数作るのだ。
「なんでそんなにいっぱい作るの?」と尋ねると、子供たちは「これは○○ちゃんの分で、これはお母さんの分、これは妹の分」と答えた。


自分のことだけではなくて、人のことも考える。

彼らは辛い体験の中から無意識にそれを学んだのではないだろうか。震災で失ったものも沢山あるけれども、得たものも確かにあった。

そんな子どもたちを見ていたら常に自分のことしか考えていない私は恥ずかしくなった。

どうかその『人のことも想う気持ち』を、大人になってもずっと忘れないでほしい。